『FIRE 最強の早期リタイア術 最速でお金から自由になれる究極メソッド』を読んだ

なかなか面白かった。誰にでも再現可能ではないが、時間をかければ大多数の人が実現できる現実的なFIRE(Financial Independence, Retire Early)の手法が書かれている。よくある投資本では、投機的なアクティブ運用の方法のみが記され、リスク管理の観点は欠けている気がする。本書は、株価暴落時のリスク管理やサイドFIRE、パーシャルFIなどの妥協案も示されていて隙がない。FIREに向けた着実な一歩を踏め出すための指針になる良書。

 

 

要旨は以下。

  • 100万ドル(1億円)程度の資産を作り、配当収入での生活を目指す
  • 若い頃は夢を追わない。FIREが実現してから有り余る時間で夢を追えば良い
  • FIREのためにまずは節制。タネ銭を作らないことには話にならない
  • 悪い借金はしない。消費者ローン、教育ローンは絶対組まない
  • 住宅ローンも組まない。後に物件を売却するとしてもペイできない可能性が高い(2021年現在の日本には当てはまらないかもしれない)
  • 幸福感は感情の振幅に左右される。物の購入による幸福は感覚が麻痺しやすいため、体験による幸福感の享受にシフトする
  • 余計な物はなるべく買わない。生活コストを下げる
  • 確保した資金は、インデックスETF、債券にバランスよく投下する
  • 経済の変動に合わせて、最初に決めた株、債券、現金のバランスを調整する
  • 資産の4%で1年間生活可能であれば不労所得のみで生活できる可能性が高い(4%ルール)
  • 株価暴落時のETF取り崩しは絶対にしない。そのため、株価上昇まで耐えられる現金とそれを補助する配当金を確保する
  • 配当金は株価が暴落してもそうそう無くならない。不況でもある程度は支払われることを利用する
  • FIREにより保育費がかからなくなる等で、子供がいる場合でも生活コストが劇的に変わることはない(これは眉唾だが……)
  • 完全なFIREを達成できなくても、パーシャルFIやサイドFIREなどの選択肢がある
  • 具体的には、配当収入などを補う程度だけ働くことで、フルタイムで働くよりも自由な生活を送ることができる
  • 投資スタイルは人それぞれ。自分に合ったスタイルを貫くべき


まずはサイドFIREが実現可能な状態を目指してみたい。今の仕事をやめて、バイト等で食い繋がなければいけない状況になったとしても、配当収入で生活レベルを落とさなくて済むのであればかなり精神的負荷が減る気がする。